経済とお金が資産運用にどう関係してくるのか、仕組みを紹介します。

経済と資産運用はどう結び付くのか

大量の万札

人はそれぞれ仕事や資産運用を通じて収入を確保し、消費を行うことで経済が回ります。
景気が良くなれば消費が増え、経済全体に良い影響を与えることは多くの方が理解しているでしょう。
しかし、経済とお金の関係は純粋に景気や消費だけが関係しているワケではありません。
経済や景気に応じたお金の流れを理解すれば、資産運用とどう関係してくるのか見えてきますよ。

 

世界のお金は増えている?

お金には現金(貨幣の発行)と銀行預貯金など電子情報の2種類がありますが、世界全体のお金は年々増えています。
国や中央銀行でお金を増やせるのであれば、経済を刺激するためにどんどん増やせばいいのでは?と思う方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、お金の価値を守る概念から単純にお金を増やせないルールになっています。

 

 

お金の総量は増やせないのに世界中でお金が増えている


お金の総量は増やせないのに世界中でお金が増えている

 


このカラクリには、国債が大きく関係しています。

 

お金と国債

国が発行する債券のことを「国債」といいます。
国債の発行量が増えるほど世の中にお金が流通しますが、闇雲に国債を発行してお金の総量を増やすと、その法定通貨(日本円やドルなど)の価値が下落してしまいます。
世界全体の人口は増え続けていますから、世界経済を回すためには必然的にお金の総量を増やさないといけません。

 

国(政府)や中央銀行は、経済動向を見ながら物価をコントロールするために、国債の発行量を調整しています。
そして各国は自国のお金(法定通貨)の価値を高めるために、緩やかなインフレ(物価上昇)を目指した経済政策を行っています。

 

過剰資本について

日本銀行の外観

生産により大きな資本を投じても少ない利益しか上げられない状態を「過剰資本」といい、こうしたお金は設備投資や消費ではなく資産運用に回ると言われています。
なお、世界中の富裕層や投資家、証券会社などが抱えている過剰資本の動きについては、国と中央銀行がコントロールしています。
もっとも大きな影響を与えるのが各中央銀行が決める政策金利です。

 

日本は歴史的な超低金利時代が続いています。
超低金利の影響としては、銀行にお金を預けても微々たる利息しか得られない・住宅ローンを低金利で利用できる等が挙げられます。
政策金利が下がれば国債と銀行預貯金の金利が低下するため、それまで国債などで運用していた資金が株式市場などへ流れる仕組みです。

 

企業の活性化も促せる

株式市場へお金が流れれば、企業は資金調達がしやすくなり、設備投資や事業規模の拡大を見込むことが可能です。
「それならば政策金利はずっと低いままにすればよいのでは」とお考えの方も多いかと思いますが、政策金利が低い水準で固定されてしまうと、更に経済が悪化した際に打つ手が無くなってしまいます。

 

将来再び訪れる景気悪化に備える目的で、景気が良い時や景気悪化を食い止めたと判断したタイミングで利上げするのが、政策金利決定のセオリーなのです。

 

リスクに応じたお金の動き

資産運用の世界では「リスクオン」「リスクオフ」という言葉がよく使われます。
リスクオンとはリスクを取って高利回り・高配当の株式などへ資金が動く状況のことで、リスクオフではリスクを懸念して国債や金などの安全資産にお金が動く状態のことをいいます。(なお、日本円は世界の法定通貨の中でも安全資産と言われており、リスクオフになると安全資産の日本円を買う動きが加速します。)

 

企業の業績やその国の景気に悪影響がなくても、戦争やテロをはじめ海外の経済ショックなどネガティブなニュースがあるとリスクオフになりやすいのでご注意ください。
日本は車をはじめ輸出業が盛んな特性があり、リスクオフで円高になれば輸出企業の業績が悪化して日本経済全体が悪くなってしまいます。

 

 

過剰資金を持っている投資家・富裕層はリスクに応じてお金を動かしていることと、為替レート(円高・円安)と経済が深く関係していることを覚えておきましょう。


過剰資金を持っている投資家・富裕層はリスクに応じてお金を動かしていることと、為替レート(円高・円安)と経済が深く関係していることを覚えておきましょう。

 


 

予期できない「大人の事情」

乱高下する株価のグラフ

上場されている株式や先物などは、業績や需要だけではなく「大人の事情」によって価格変動することがあります。
例えば、政策金利や世界的な経済リスクを見て資金を動かしている大口の投資家は、短期的に市場売却するのが困難なほどの株式を持っているケースがあります。
つまり、このような大株主がまとまった売買を行うことにより、一時的に株価が乱高下する場合があるのです。

 

また、株式や先物取引の場合は「空売り」という将来的な値下がりで利益を出す投資方法もあります。
業績が良い企業の株は大口の空売り注文が入ることが珍しくなく、個人の投資家がこれらを予期するのは大変困難です。

 

大口投資家は個人の売買動向を見て仕掛けることがあり、必ずしも業績や将来性と株価が連動しないという点について覚えておかねばなりません。
このほかにも定められたタイミングの指数によって清算が行われるオプション取引の影響など、大口の都合で株価や為替レートが変動する要因が多数あります。

 

 

実需の影響

腕を組んで分析する男性

あえて最後の項目で紹介していますが、経済とお金の流れや資産運用向け投資商品の価格変動は実需の影響も大きいです。
たとえばアメリカの景気が良くなれば、アメリカの企業へ投資するお金が増えて円売りドル買いの動きが強まりますし、業績が良い企業の株価は中長期的に上昇していきます。

 

このほか、不動産は売買・賃貸の需要がダイレクトに価格へ影響を与えるなど、資産運用をする上で実需は必ずチェックしないといけません。
経済は金利・リスク判断・大人の事情といった様々な影響の上に成り立っています。
中長期であれば実需を重視し、短期的(売却益)であれば実需以外の要因を重視するのが資産運用のセオリーです。