日本銀行は金利に影響を与える、金融政策を決定する役割があります。

日本銀行について

日本銀行大阪支店旧館の外観

日本銀行は日本の中央銀行で、日本円(現金)を発行できる唯一の存在です。
政府から独立した法人で、銀行法によって日本政府が必ず55%以上出資していないといけないルールがあります。
「銀行」の名称がつくため、日本銀行への預貯金を考える方もいますが、日本銀行は個人向けサービスを一切行っていません。
日本銀行について、役割や経済とお金に与える影響を徹底解説いたします。

 

日本銀行の役割

日本銀行は以下4つの役割を担っています。

  1. 貨幣の発行(発行銀行)
  2. 政府の銀行
  3. 銀行の銀行
  4. 金融政策の決定

 

④の金融政策の決定については、政府の銀行および銀行の銀行に関連した業務の一環にあたるため、日本銀行の役割は①②③による3つと捉えられるケースがあります。
実際の所は、経済とお金へ与える影響が大きいのは金融政策の決定になるため、個人(消費者)や資産運用する投資家は④の金融政策の決定だけチェックしていれば問題ありません。

 

貨幣の発行

お金を差し出す女性

紹介している通り、日本円の貨幣(紙幣・硬貨)を発行できるのは日本銀行のみです。
紙幣の場合は国立印刷局で製造をしていますが、日本銀行の許可に基づいた量のみが作られています。
貨幣の発行は、原則として古くなった貨幣を回収・処分して新しい貨幣へ交換を行っています。

 

また、お金は現金(発行済み貨幣)と電子情報(銀行預貯金など)の2種類があり、現金で流通するお金を増やす目的で新たな貨幣を発行することも可能です。
いずれにしても日本銀行のみの判断で行う貨幣の発行については、日本円の総量に影響を与えません。
あくまでも古くなったお金の交換と、現金・電子情報の調整のみ行うことが日銀の役割です。

 

政府の銀行

政府の銀行とは、国が税収で得たお金を管理し、公共事業や公務員の給料など支払い時に出金するなど、政府のお金(国庫金)を管理する役割を担っています。
ちなみに、日本銀行へ預けられたお金(政府当座預金・別口預金)は付利(利息)なしですが、政府当座貯金の残高が一定の水準を上回った際は国内指定預金へ組み替えることができ、財務大臣が指定した方針や利子等についての条件に基づいて運用が行われています。

 

銀行の銀行

名称の通り、私達が普段から利用している市中銀行(都市銀行や地方銀行など)は日本銀行へお金を預けたり借入したりしています。
市中銀行は日本銀行を通じて現金や電子情報のお金を管理しているため、損失を出して破綻しない限りは引出額が増える理由でお金が尽きることはありません。
住宅ローンなど銀行が扱うローン商品に変動金利が存在するのは、市中銀行が日本銀行からお金を借りるコストが政策金利によって変動しているからです。

 

金融政策

金融政策は毎月行われる日本銀行の金融政策決定会合によって決まります。
もっとも重要なのは政策金利で、日本銀行の政策金利が下がった場合は国債・銀行の金利などが低下する仕組みです。
トップページで詳しく解説していますが、政策金利が下がれば大口投資家などの過剰資金が株式など高利回りの投資商品へ流れ、企業が低コストで資金調達できる恩恵によって経済が回ります。

 

政策金利が高まった際に特別なメリットはありませんが、将来の金融危機に備える目的で景気がよくなった際は政策金利を引き上げる対応をするのがセオリーです。

 

政策金利のほかに、日本銀行が国債やETFを通じて株式を買う公開市場操作や、金融機関の貯金・金融債の調整を行う預金準備率操作などの金融政策があります。
資産運用をする際は、投資先商品の種類を問わず日本銀行が行っている金融政策の内容と今後の見通しをチェックしておくようにしてください。